電柱を見上げると、何本もの電線が張られています。太いもの、細いもの、上の方にあるもの、下の方にあるもの……。「あれ、全部同じ電線だと思っていたけど、実は違うものなの?」と感じたことはありませんか。実は電柱に張られている電線には、はっきりとした役割の違いがあり、見分け方も存在します。この記事では、帯広・十勝エリアで電気工事を行っている電気工事士が、電柱の電線の種類と見分け方をわかりやすく解説します。
🔍 こんな方におすすめの記事です
・電柱の電線が何本もあるのを見て気になったことがある方
・自宅や敷地の近くの電線が何なのか知りたい方
・剪定や外構工事の前に電線の種類を確認しておきたい方
電柱の電線は、実は3種類ある
結論からお伝えすると、電柱に張られている電線は大きく分けて3種類です。「高圧線」「低圧線」「通信線」で、それぞれ電気を送る役割も、危険度も異なります。見た目だけでは同じように見えても、この3つを見分けられるようになると、電柱に対する見方が大きく変わります。
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最も上にある
高圧線(配電線)
発電所や変電所から送られてきた電気を、6,600ボルト程度の高い電圧のまま流している電線です。電柱の一番上に張られていることが多く、電線を支える器具(碍子・がいし)が使われています。 -
中段にある
低圧線(引込線・配電線)
高圧線を柱上変圧器(ドラム缶のような機器)で100V・200Vまで下げた電気を流す電線です。一般家庭や店舗に電気を届けるための電線で、複数の線が黒いカバーでまとめられていることが多くあります。 -
最も下にある
通信線
電話やインターネット、ケーブルテレビなどの信号を送るための線です。電気は流れていないため感電の危険はほぼありませんが、老朽化した線が垂れ下がっているケースもあります。

見分け方のポイントは「高さ」「太さ」「碍子の有無」
実際に電柱を見上げたとき、次の3つのポイントを意識すると種類を見分けやすくなります。
①電線の高さ(位置)
電柱の一番上にある電線ほど電圧が高く、下に向かうほど電圧が低くなります。これは、電圧が高い電線ほど地上から離す必要があるという安全上の理由によるものです。一番上=高圧線、中段=低圧線、一番下=通信線という並び順は、日本全国どこでもほぼ共通しています。
②碍子(がいし)の有無
高圧線には、白や茶色の陶器またはガラス製の絶縁器具「碍子」が電線と電柱の間に必ず取り付けられています。これは電気を電柱に伝えないための絶縁部品で、通信線には基本的に付いていません。碍子が見えたら、その電線は高圧線だと判断できます。
③電線の太さと色
高圧線は比較的太く、金属光沢のある単線であることが多いです。低圧線は複数本が黒いビニールでまとめられていることが多く、通信線は非常に細く、たるみが大きいのが特徴です。
高圧線は電圧が非常に高いため、直接触れていなくても近づきすぎると感電することがあります。庭木の剪定や足場を組む作業、はしごを使う作業を電線の近くで行う際は、必ず事前に電力会社または電気工事の専門会社にご相談ください。
「全部同じ電線」という誤解にご注意
現場でお客様とお話しする中で、「電柱の電線は全部同じもので、変圧器のところだけ電圧が変わる」と思われている方が意外に多くいらっしゃいます。実際には、高圧線と低圧線は明確に別の電線として張られており、変圧器(柱上トランス)はその2つをつなぐ「電圧を下げる装置」という位置づけです。この違いを知っておくと、なぜ電柱にたくさんの電線があるのか、なぜ危険な場所と安全な場所があるのかが理解しやすくなります。
以前、お客様から「庭の木が電線に触れそうなので切ってほしい」とご依頼をいただいた際、実際に伸びていたのは低圧の引込線でしたが、その奥にはさらに高圧線が通っていました。ご自身で対処しようとされていたそうですが、電線の種類を見誤ると重大な事故につながりかねません。判断が難しい場合は、無理をせず専門家にご相談いただくことを強くおすすめしています。
よくある質問
鳥は1本の電線の上に両足で止まっているだけで、電位差(電圧の差)が生じないため感電しません。ただし、複数の電線に同時に触れたり、電線と電柱の金属部分に同時に触れたりすると危険です。
お住まいの地域を管轄する電力会社に問い合わせると教えてもらえます。また、剪定や工事の予定がある場合は、私たちのような電気工事会社にご相談いただければ、現地を確認して判断いたします。
通信線は電力会社ではなく、NTTやケーブルテレビ会社などの通信事業者が管理しています。線に記載されている事業者名を確認して連絡するのが基本ですが、判断が難しい場合は最寄りの電気工事会社にご相談いただいても構いません。
電線の種類の判断や、電線周辺での工事・剪定作業についてご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。