暖房器具を使うとブレーカーが落ちるのはなぜ?電気容量と分電盤を見直すタイミングと相談の目安をやさしく解説

一般電気工事

こんなお悩みはありませんか?

  • 冬になって暖房を使い始めたら、ブレーカーがよく落ちるようになった
  • ブレーカーが落ちる理由が、契約の問題なのか設備の問題なのかわからない
  • 延長コードや電気ヒーターを使い続けて、安全かどうか不安

 暖房を使うとブレーカーが落ちるのは、電気の使いすぎだけが理由とは限りません。この記事では、ブレーカーが落ちる三つの原因、暖房器具ごとの電気の使い方、見直すタイミングと相談の目安を、やさしく解説します。

📖 読了時間の目安:約10分

セイトー電設は創業50年以上、住宅・店舗・農業施設・工場の電気工事を手がけてきました。この記事は現場担当者が実際によくいただく質問をもとに作成しています。

暖房を使うとブレーカーが落ちる、三つの原因

 寒くなってきて暖房を使い始めたら、ブレーカーが落ちるようになった。こうしたご相談は、気温が下がる季節に毎年増えます。暖房器具は、電気を多く使う機器が多く、同時に使うとブレーカーが落ちやすくなるのは、よくあることです。

 ただ、「電気を使いすぎたから」と決めつけるのは早いかもしれません。ブレーカーが落ちる原因は、大きく分けて三つあります。原因によって、取るべき対策が変わるため、まず、どれにあたるのかを整理しましょう。

ブレーカーには、三つの種類がある

 家庭の分電盤には、役割の違うブレーカーが並んでいます。

  • アンペアブレーカー(主幹ブレーカー):家全体で使える電気の量を決める、大もとのブレーカーです。電力会社との契約(30A、40A、50A、60Aなど)に対応しています。
  • 安全ブレーカー(分岐ブレーカー):部屋や設備ごとに電気を分けている、回路ごとのブレーカーです。その回路で使える電気の量を超えると落ちます。
  • 漏電遮断器:電気が漏れたときに、すばやく電気を止めるブレーカーです。テストボタンがついていることが多いです。

原因1:契約容量を超えている

 家全体で、同時に使っている電気の量が、契約している容量(アンペア)を超えると、アンペアブレーカーが落ちます。家全体の電気が止まるのが特徴です。たとえば、暖房器具に加えて、電子レンジ、ドライヤー、IHクッキングヒーターなどを同時に使うと、超えやすくなります。

原因2:一つの回路の容量を超えている

 家の中の電気は、部屋ごと、設備ごとに、回路に分けて送られています。一般的な家庭用コンセントの回路は、15Aや20Aのことが多く、一つの回路で使える電気の量には限りがあります。同じ回路につながるコンセントで、電気ヒーターや加湿器などを同時に使うと、その回路の安全ブレーカーが落ちます。この場合、停電するのは、その回路につながる部屋やコンセントだけであることが多いです。

原因3:漏電している

 漏電とは、電気が本来の通り道から外れて、外に漏れ出ることです。暖房器具や家電が劣化していたり、配線が傷んでいたり、湿気の多い場所で水分が入り込んだりすると、起きることがあります。漏電遮断器が落ちるときは、電気の使いすぎではなく、漏電の可能性があるため、特に注意が必要です。

落ち方で見分けるヒント

落ちたブレーカー 停電の範囲 疑われる原因
アンペアブレーカー 家全体 契約容量の超過
安全ブレーカー 一部の部屋やコンセント その回路の容量の超過、機器の故障
漏電遮断器 家全体または一部 漏電の可能性

⚠ 注意
漏電遮断器が何度も落ちるときは、感電や火災の危険があります。何度もスイッチを入れ直さず、原因を調べるために電気工事店にご相談ください。分電盤の内部を触る作業は、資格が必要です。ご自身では行わないでください。

暖房器具の電気の使い方と、今日からできる対策

ブレーカーが落ちたときの、正しい対応手順

  1. 慌てずに、暖房器具や家電のスイッチを切る。
  2. 電気ヒーターなど消費電力の大きな機器のプラグを抜く。
  3. 分電盤の場所へ行き、落ちているブレーカーを確認する(懐中電灯があると安全です)。
  4. 漏電遮断器が落ちていないか確認する。落ちている場合は、むやみに入れ直さず、原因を考える。
  5. 安全ブレーカーやアンペアブレーカーが落ちているだけなら、機器を減らした状態で、ブレーカーを上げる。
  6. 上げても、すぐに落ちる場合は、そのままにして電気工事店に相談する。

 ブレーカーが落ちたあと、濡れた手で分電盤に触れたり、無理にスイッチを押し込んだりしないでください。感電やけがのおそれがあります。

契約アンペアの目安はどう決まる?

 契約アンペアは、家全体で同時に使う電気の量の目安をもとに決めます。世帯の人数、家電の数、IHクッキングヒーターや電気給湯器の有無、在宅の時間帯などで、必要な容量は異なります。契約アンペアが小さすぎると、冬の暖房シーズンなど、電気を多く使う時期にブレーカーが落ちやすくなります。一方、大きくしすぎると、基本料金が上がる場合があるので、実際の使い方を見ながら検討することが大切です。契約の変更は、電力会社への手続きが必要です。

暖房器具ごとの電気の使い方

 暖房器具は、種類によって、電気の使い方が大きく異なります。

暖房器具 電気の使い方の特徴
電気ヒーター・セラミックヒーター 消費電力が大きいものが多く、ブレーカーが落ちやすい
オイルヒーター 長時間使うため、電気を多く使い続ける傾向がある
ホットカーペット・電気毛布 比較的おだやかだが、面積が大きいと電気を使う
こたつ 機種によるが、他の暖房と併用すると負担が増える
エアコン 立ち上がりに電気を多く使う。大型機種は専用回路が望ましい
加湿器(加熱式) 水を温めるため、意外に電気を使う

 消費電力は、製品によって異なります。製品の本体やカタログに「W(ワット)」で書かれているので、確認しておきましょう。

電気の量の考え方

 電気の量は、次の式で目安を計算できます。

  • ワット(W)= ボルト(V)× アンペア(A)

 家庭用の電気は100V(ボルト)のことが多く、たとえば、15Aの回路なら、100V × 15A = 1,500Wが、一つの回路で使える電気の量の目安になります。この回路で、1,200Wの電気ヒーターと、500Wの加湿器を同時に使うと、合計1,700Wとなり、容量を超えてしまいます。

今日からできる対策

  • 消費電力の大きな機器を、同時に使わない。時間をずらす
  • 同じ部屋でも、別の回路のコンセントに分けてつなぐ
  • 延長コードやタコ足配線をやめて、壁のコンセントに直接つなぐ
  • 暖房の設定温度を見直して、使用時間を調整する
  • 家電を使う順番を工夫する(暖房を入れてから、電子レンジを使うなど)
  • どの機器を使ったときにブレーカーが落ちたか、メモする

暖房を安全に使うための注意

  • 電気ヒーターを、延長コードやタコ足配線で使わない
  • ヒーターの近くに、カーテンや衣類、紙類を置かない
  • 就寝中や外出時に、電気ヒーターをつけっぱなしにしない
  • プラグやコードが熱くなっていないか、ときどき触れて確認する(熱いと感じたら、すぐに使用をやめる)
  • ほこりがたまったプラグや、差し込みのゆるいコンセントは使わない

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分電盤・回路を見直すタイミングと、工事の選択肢

こんなときは、設備の見直しを考えるサイン

  • 暖房を使い始めると、毎年のようにブレーカーが落ちる
  • 同じ回路の別の家電を使うと落ちる
  • 延長コードを使わないと、必要な場所にコンセントがない
  • 分電盤が古く、設置から10年以上たっている
  • 電気ヒーター、IHクッキングヒーター、エアコンなどを新しく追加する予定がある
  • 家族が増えて、電気の使い方が変わった
  • 二世帯住宅や、リフォームで間取りが変わる

工事の選択肢

 原因や状況によって、対策の方法は異なります。

  • 契約アンペアの見直し:家全体の容量が足りない場合に有効です。電力会社への手続きが必要で、工事が必要なケースもあります。
  • 専用回路の新設:エアコン、電気ヒーター、IHなど、電気を多く使う機器のために、その機器専用の電気の通り道を設けます。
  • コンセントの増設・位置の変更:使う場所に、必要な数のコンセントを設けます。延長コードに頼らなくてすみます。
  • 分電盤の交換・増設:分電盤が古い、回路の数が足りない場合に検討します。
  • 漏電の原因調査と修理:漏電遮断器が落ちる場合は、原因を調べて、配線や機器の修理・交換を検討します。

エアコン暖房を使う場合の考え方

 エアコンの暖房は、ヒーターに比べて効率のよい暖め方ができるといわれます。大きな機種や、複数台を使う場合は、専用回路が望ましいことが多いです。また、機種によっては、100Vではなく200Vの電源が必要です。設置や買い替えを考えるときは、電源の条件を、事前に確認しておきましょう。

一例:暖房の同時使用で落ちるケース

 ここでは、一般的な例の一つをご紹介します(実際の事例ではありません)。たとえば、リビングで、エアコン、ホットカーペット、加湿器を使っていて、そこにキッチンから電気ケトルや電子レンジを使うと、ブレーカーが落ちるとします。この場合、アンペアブレーカーが落ちているのか、キッチンの回路なのかによって、対策が異なります。前者なら、契約容量の見直しや、使い方の工夫、後者なら、専用回路の新設やコンセントの位置の見直しが考えられます。

店舗・事務所でも起こります

 事務所や店舗でも、冬は暖房機器が増えるため、ブレーカーが落ちる相談が増えます。営業中に電気が止まると、レジやパソコン、冷蔵ケースなどに影響が出ます。使っている機器と回路の関係を整理し、計画的に見直すことをおすすめします。

相談の目安と、進め方

相談の目安

  • ブレーカーが、以前より頻繁に落ちる
  • 同じ条件で、何度も落ちる
  • 漏電遮断器が落ちて、原因がわからない
  • プラグ、コンセント、コードが熱くなる、焦げ臭い
  • 暖房器具や家電を新しく追加する予定がある
  • リフォームや、住み替えを予定している

ご相談から工事までの流れ

  1. お問い合わせ:電話、LINE、Webフォームのいずれかで、ブレーカーが落ちる状況をお知らせください。
  2. 現地確認:分電盤の状態、回路の構成、使っている機器を確認します。現地確認は無料です。
  3. 原因の整理とご提案:契約容量、回路、漏電のどれが原因かを整理し、最適な方法をご提案します。
  4. 日程の調整:停電が必要な場合は、生活への影響が少ない時間帯を相談して決めます。
  5. 工事:資格をもつスタッフが、安全に配慮して作業します。
  6. 動作確認とご説明:工事後に動作を確認し、使い方のポイントをご説明します。

費用は、現地確認のうえでご案内します

 工事の内容や範囲、分電盤や配線の状況で、費用は大きく変わります。この記事では金額をご案内していません。現地確認のうえ、わかりやすくお見積もりをいたします。

相談の前にメモしておくと役立つこと

  • ブレーカーが落ちたのは、いつ、どの機器を使ったときか
  • 落ちたブレーカーは、どれか(スイッチの位置を写真に撮っておく)
  • 停電したのは、家全体か、一部の部屋か
  • 使っている暖房器具の種類と、消費電力
  • 分電盤の設置年数(わかる範囲で)

 暖房のたびに、ブレーカーを気にするのは、ストレスになります。電気の使い方と、設備の状態を整理すれば、安心して暖かく過ごせます。「うちの場合はどうなんだろう」と思ったら、冬本番を迎える前に、お気軽にご相談ください。現地確認は無料です。

よくある質問

Q. ブレーカーが落ちたら、すぐにスイッチを上げてよいですか?

 まず、使っている暖房器具や家電の電源を切り、いくつかのプラグを抜いてから、ブレーカーを上げてください。原因がわからないまま何度も上げ下げすると、機器や配線に負担がかかります。何度も落ちる場合は、電気工事店にご相談ください。

Q. 契約アンペアを上げれば解決しますか?

 契約アンペアが足りない場合は有効ですが、各部屋の回路の容量が足りないことが原因の場合は、契約を上げても解決しません。原因が契約なのか、回路なのかを、まず確認することが大切です。

Q. 暖房器具を同じ部屋で同時に使うのは危険ですか?

 消費電力の大きな機器を、同じ回路で同時に使うと、ブレーカーが落ちたり、コードやプラグが発熱したりするおそれがあります。部屋ごとのコンセントの回路を確認して、使い分けることをおすすめします。

Q. 延長コードを使っても大丈夫ですか?

 延長コードには、使える電気の量に限りがあります。電気ヒーターなど消費電力の大きな機器は、延長コードを使わず、壁のコンセントに直接つなぐのが基本です。やむを得ず使う場合は、許容される電気の量を確認してください。

Q. ブレーカーが落ちる原因を、自分で調べる方法はありますか?

 同時に使っている機器を減らして、どの機器を使ったときに落ちるかを確認し、メモしておくと、原因の手がかりになります。分電盤の内部を調べたり、工事をしたりするのは、有資格者に任せてください。

まとめ

 この記事のポイントをまとめます。

  • ブレーカーが落ちる原因は、契約容量の超過、回路の容量の超過、漏電の三つに大きく分けられます。
  • 暖房器具は消費電力が大きいものが多く、同時使用や延長コードの使用に注意が必要です。
  • 原因が契約か、回路か、漏電かによって、対策が異なります。
  • 落ちる条件をメモして相談すると、原因の特定がスムーズです。
  • 分電盤や回路の工事は、電気工事士の資格が必要です。ご自身で行わず、専門業者にご相談ください。

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