工場・倉庫の照明をLEDにすると電気代はどう変わる?帯広・十勝の事業者向けにデマンドの考え方と削減の目安を解説

一般電気工事

こんなお悩みはありませんか?

  • 工場や倉庫の照明をLEDにしたら、電気代が実際にどれくらい変わるのか見当がつかない
  • 電気料金の明細にある「デマンド」や「基本料金」と、照明の関係がよくわからない
  • LEDに替えても、冬は暖房の負担が増えるのではと心配

 この記事では、工場・倉庫の照明をLEDにすると電気代がどう変わるのかを、電気料金の仕組みやデマンドの考え方とあわせて、帯広・十勝の現場経験をもとに、専門用語をかみ砕きながら解説します。

📖 読了時間の目安:約13分

セイトー電設は帯広・十勝エリアで創業50年以上、地域の住宅・農業・工場の電気工事を手がけてきました。この記事は現場担当者が実際によくいただく質問をもとに作成しています。

工場・倉庫の電気代、照明はどのくらい関わっている?

 「毎月の電気代が高い。照明をLEDにすれば下がるのだろうか」。工場や倉庫の経営者、施設管理の担当者の方から、よくいただくご質問です。結論からいえば、照明の種類や台数、使い方によって、効果の大きさは変わります。ただし、照明は、長い時間使う設備なので、見直しの効果が出やすいところです。

 工場や倉庫は、天井が高く、広い空間を明るく照らすために、たくさんの照明を使っています。生産ラインが動く日中だけでなく、早朝や夜間、休日の一部まで点灯していることも珍しくありません。1台ごとの消費電力は小さくても、台数と時間が積み重なると、年間の電気代では、大きな割合を占める場合があります。

 この記事では、LED化で電気代がどう変わるのかを、電気料金の仕組みから、わかりやすく整理します。後半では、「デマンド」という、よく耳にするけれど、わかりにくい言葉についても、かみ砕いて説明します。

電気代は「2つの部分」でできている

 事業所の電気料金は、大きく分けて、2つの部分で成り立っていることが一般的です。

  • 基本料金:契約している電力(契約電力)などに応じて、毎月かかる固定に近い部分
  • 電力量料金:実際に使った電気の量(キロワットアワー、kWh)に応じてかかる部分

 照明をLEDに替えると、まず、使った電気の量が減るので、電力量料金が下がる可能性があります。さらに、使う電力のピーク(山)が小さくなれば、基本料金に関わる部分にも、影響する場合があります。ただし、料金の決まり方は、電力会社やプランによって違うため、実際の契約を確認することが大切です。

「ワット」と「キロワットアワー」の違い

 電気の話では、「ワット(W)」や「キロワット(kW)」と、「キロワットアワー(kWh)」が出てきて、混乱しやすいところです。簡単にいうと、ワットやキロワットは「そのときの電気を使う力の大きさ」、キロワットアワーは「使った電気の量の合計」です。

 たとえば、1キロワットの機器を、1時間使うと、1キロワットアワーの電気を使ったことになります。この「使った量」に、単価をかけると、電力量料金になります。

電気代がじわじわ効いてくる、古い照明の見えにくい負担

 古い蛍光灯や水銀灯を使い続けていると、気づきにくい負担が、積み重なります。

消費電力が大きい

 水銀灯や、古い蛍光灯は、同じ明るさを出すのに、LEDより多くの電気が必要です。特に、水銀灯は、消費電力が大きく、LEDに替えたときの差が、大きくなりやすい傾向があります。

光が落ちても、電気は同じだけ使っている

 照明は、使ううちに、ランプが少しずつ暗くなり、器具も汚れて光が減っていきます。しかし、消費する電気は、あまり変わりません。つまり、暗くなっているのに、電気代はそのままという、もったいない状態になっている場合があります。

ランプ交換の費用と手間

 電気代だけでなく、ランプの交換にも、費用と手間がかかります。高い天井では、高所作業車や足場が必要になり、作業の停止や、人手がかかります。こうした見えにくい負担も、あわせて考えると、照明全体の維持の負担が見えてきます。

今後はランプの入手が難しくなる

 蛍光灯や水銀灯は、製造や輸出入が廃止される流れにあります。この点については、別の記事で詳しくご紹介しています。いま使えているものがすぐに使えなくなるわけではありませんが、将来のことを考えると、早めの計画が安心です。

⚠ 注意
照明器具の交換や配線の変更は、電気工事の資格が必要な作業を含みます。高い場所での作業は、転落や感電の危険もあります。ご自身で行わず、専門の電気工事会社にご相談ください。

LED化で電気代はどう変わる?削減量の考え方と計算の目安

 「結局、どれくらい下がるのか」を知りたい方のために、削減量を、おおまかに計算する方法をご紹介します。

削減できる電気の量を計算する

 削減量は、次のような考え方で、大まかに計算できます。

  • 1台あたりの消費電力の差(ワット)
  • × 台数
  • × 1年間の点灯時間
  • ÷ 1,000(ワットをキロワットに直す)
  • = 1年間に減らせる電気の量(キロワットアワー)

計算例(仕組みを説明するための仮の数字です)

 たとえば、倉庫に、100台の照明があるとします。1台あたりの消費電力が、LEDにすることで、50ワット下がるとします。1日12時間、年間300日点灯するとします。

  • 50ワット × 100台 = 5,000ワット(5キロワット)
  • 点灯時間は、12時間 × 300日 = 3,600時間
  • 5キロワット × 3,600時間 = 18,000キロワットアワー

 この例では、1年間に、およそ18,000キロワットアワーの電気を減らせる計算になります。これに、電力量の単価をかけると、削減できる電気代の目安がわかります。ただし、この数字は、あくまで仮の例です。実際には、照明の種類、使い方、契約のプランで、大きく変わります。

「点灯時間」が長いほど、効果は大きい

 同じ台数でも、点灯時間が長いほど、削減の効果は大きくなります。24時間稼働の工場や、長時間点灯の倉庫では、効果が出やすい傾向があります。反対に、使う時間が短い場所は、効果が小さくなる場合もあります。

調光やセンサーで、さらに減らせる

 LEDは、人感センサーや調光との組み合わせがしやすく、使わない場所や時間帯の電気を、さらに減らせます。倉庫の通路や、休日の保管エリアなど、人がいない時間が長い場所では、効果を感じやすい方法です。

項目 古い照明(水銀灯・蛍光灯) LED照明
消費電力 大きい 少ない製品が多い
寿命の目安 数千〜1万数千時間程度 約40,000時間程度
点灯の速さ 時間がかかるものもある すぐに明るくなる
調光・センサー 組み合わせにくい 組み合わせやすい
電気代への影響 大きくなりやすい 抑えやすい

「デマンド」とは?基本料金との関係をやさしく解説

 電気料金の明細や、電力会社の資料に出てくる「デマンド」は、少しわかりにくい言葉です。ここでは、かみ砕いて説明します。

デマンドとは、30分ごとの平均使用電力

 デマンドとは、30分ごとに区切った、平均の使用電力(キロワット)のことです。「電気を使う力の大きさ」を、30分の平均で表したものと考えてください。その月の中で、もっとも大きかった値を「最大デマンド」といいます。

デマンドが、基本料金に関わる場合がある

 高圧で電気を受けている事業所では、契約の種類によっては、この最大デマンドが、契約電力(基本料金の決まり方に関わる数字)に影響する場合があります。たとえば、1年のうちで1回でも大きなデマンドが出ると、その値が、一定期間、契約電力の目安になるような仕組みもあります。

 そのため、「使った電気の量が少なくても、一瞬の山が大きいと、基本料金が高くなる」ことがあります。反対に、山を小さくできれば、基本料金に良い影響が出る可能性があります。

照明のLED化と、デマンドの関係

 照明は、工場や倉庫では、朝の始業時に、一斉に点灯することが多く、機械の立ち上げとも重なります。このとき、照明の消費電力が大きいと、デマンドの山を大きくする原因の一つになります。

 LED化で、照明の消費電力が減れば、デマンドの山が小さくなる可能性があります。さらに、始業時の立ち上がりが早く、すぐ点灯するLEDは、タイマーで段階的に点灯するなどの制御もしやすく、山を抑える工夫もできます。

デマンドは「見える化」すると、対策しやすい

 デマンドを監視する装置や、電力の使い方を記録する機器もあります。どの時間帯に、どの設備が電気を使っているかが見えると、LED化の効果も、確認しやすくなります。デマンドの見える化は、今後のテーマとして、別の記事でも詳しくご紹介する予定です。

⚠ ご注意
契約電力やデマンドの扱いは、電力会社や契約の種類によって異なります。この記事は一般的な説明です。実際の契約内容については、電力会社や、保安管理を委託している担当者にご確認ください。

一人で抱え込まず、契約内容もあわせて見直す

 照明のLED化は、電気料金の見直しの一部です。契約の種類、力率(電気の使い方の効率を表す数字)、デマンドの状況など、いくつかの要素が関わります。電気設備と契約の両方を見ながら、無理のない進め方を、一緒に考えます。

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帯広・十勝ならではの視点:冬の暖房との関係

 北海道では、LED化の電気代を考えるとき、冬の暖房との関係も、あわせて見ることが大切です。

LEDは、発する熱が少ない

 蛍光灯や水銀灯は、光と同時に、熱もたくさん出しています。LEDは、同じ明るさでも、熱が少ない傾向があります。夏は、冷房の負担が減る点で良いのですが、冬は、照明の熱で暖められていた空間が、少し冷えやすくなる場合があります。

暖房設備も含めて、全体で考える

 冬の十勝は、氷点下の日が続きます。照明の電気を減らしても、暖房にかかるエネルギーが少し増えれば、効果が小さくなることも考えられます。ただし、多くの場合、LED化による消費電力の削減のほうが大きいと考えられています。年間を通して、全体で考えることが大切です。

天井の高い建物は、暖気が上にたまりやすい

 工場や倉庫は、天井が高く、暖かい空気が上にたまりやすい構造です。暖房の効率を考えるうえでも、照明の発熱だけでなく、空気の流れや、断熱の状態も、あわせて見直すと、より効果的です。

冬は日が短く、点灯時間が長くなる

 冬の帯広は、日が短く、朝晩の暗い時間が長くなります。照明の使用時間が、夏より長くなるため、LED化の効果が出やすい季節ともいえます。

農業施設や食品関連の工場

 十勝には、農産物の選別場や、貯蔵庫、食品加工の工場など、特色のある施設が多くあります。冷蔵・冷凍の施設では、LEDの発熱の少なさが、冷蔵設備への負荷を軽くする場合もあります。また、農産物の色の確認では、ものの色が自然に見える、演色性の高いLEDが役立つ場合があります。

地元だからこそできる対応

 セイトー電設は、創業50年以上、帯広・十勝で、高圧受電設備から、工場、農場、住宅まで、幅広い電気工事に携わってきました。受電設備の状況も、照明の状況も、あわせて見られるのが、私たちの強みです。

LED化で見落としやすい注意点:明るさ・突入電流・効果の確認

 電気代を下げることだけを目的にすると、思わぬ見落としが出ることがあります。ここでは、工場・倉庫のLED化で、気をつけたい点をご紹介します。

「暗くなった」「明るすぎる」にならないように

 LEDは、消費電力が小さいため、ワット数だけで選ぶと、明るさが足りなくなることがあります。反対に、必要以上に明るい製品を選ぶと、電気の削減効果が小さくなります。作業内容に合った明るさ(照度)を確認して、台数や配置を決めることが大切です。

一斉に点灯したときの「突入電流」

 LEDの電源は、スイッチを入れた瞬間に、一時的に大きな電流が流れることがあります。この電流を「突入電流(とつにゅうでんりゅう)」といいます。台数が多い工場や倉庫で、一斉に点灯すると、ブレーカーが落ちることもあります。回路ごとに点灯のタイミングをずらすなど、設計の工夫で防げます。

力率の低い電源には注意

 力率とは、電気がどれだけ効率よく使われているかを表す数字です。LEDの電源の中には、力率が低いものもあり、台数が多いと、受電設備全体の力率に影響することがあります。受電設備の状況も見ながら、製品を選ぶと安心です。

効果は「数字」で確認する

 LED化のあとは、電気料金の明細や、使用電力量の記録を、工事の前と比べて確認しましょう。季節や稼働の状況で変わるため、前年の同じ時期と比べるのがおすすめです。想定どおりに下がっていない場合は、点灯時間の見直しなど、次の対策を一緒に考えます。

進め方の流れ:現状把握から、段階的なLED化へ

ステップ1:現状の照明を整理する

 まず、いまの照明の種類、台数、設置の高さ、点灯の時間を整理します。図面や、ランプの型番がわかれば、状況を把握しやすくなります。写真があれば、さらに助かります。

ステップ2:削減の見込みを試算する

 照明の消費電力と、点灯時間から、LED化で減らせる電気の量を、おおまかに試算します。電気料金の明細や、デマンドの状況があれば、あわせて確認します。

ステップ3:優先順位をつける

 点灯時間が長く、消費電力が大きい場所から、効果の大きい順に、優先順位をつけます。次のような場所が、優先度が高くなる傾向があります。

  • 水銀灯や、古い蛍光灯が多く残っている場所
  • 点灯時間が長い場所(24時間稼働のラインなど)
  • 高所にあり、ランプ交換に手間がかかる場所
  • 安定器の劣化が心配な、古い器具がある場所

ステップ4:日程を調整して工事をする

 機械の稼働や、出荷の予定に合わせて、影響の少ない日程で、工事を進めます。エリアを分けて、少しずつ進めることもできます。

ステップ5:効果を確認する

 工事のあと、電気料金の明細や、デマンドの状況を確認して、効果を見ていきます。必要に応じて、次の段階の計画も、一緒に考えます。

費用の考え方と、補助制度について

金額は、現地確認のうえでご案内します

 灯数、天井の高さ、器具の種類、工事の方法などで、費用は大きく変わります。この記事では、金額はご案内していません。現地確認のうえ、お見積もりをいたします。お気軽にお問い合わせください。

「初期費用」と「続けてかかる費用」を、合わせて見る

 LED化は、導入のときに、初期費用がかかります。ただ、その後の電気代、ランプ交換、高所作業の費用や手間が減るため、長い目で見ると、全体の負担が軽くなる場合があります。

補助制度は、年度・条件で変わる

 省エネ設備への切り替えを支援する制度が、国や自治体で用意されることがあります。対象、受付の期間、手続きは、年度ごとに変わります。多くの場合、工事の契約や着工の前に、申請が必要です。早めにご相談ください。

今日からできる確認と、第一歩

確認してみたい5つのポイント

 次の項目を、事務所や現場で確認してみてください。

  • 電気料金の明細にある、契約電力やデマンドの数字
  • 照明の種類(水銀灯・蛍光灯・LED)と、おおよその台数
  • 1日の点灯時間と、年間の稼働日数
  • 水銀灯や、10年以上たった古い器具の有無
  • 暗い、ちらつく、点灯に時間がかかる場所の有無

「明細」と「写真」があると、話がスムーズです

 ご相談の際は、直近の電気料金の明細、照明の写真、型番などがあると、試算がしやすくなります。ご不明な点は、お気軽にお尋ねください。

⚠ 安全のために
高い場所の照明に近づく、器具の中に触れるといった作業は、転落や感電の危険があります。ご自身で行わず、専門の電気工事会社にご相談ください。

電気代の見直しを、設備全体の見直しのきっかけに

 照明のLED化は、電気代を抑えるだけでなく、設備の安全や、働く環境を見直すきっかけにもなります。

 「うちの工場・倉庫の場合は、どれくらい変わるのだろう」と思ったら、まずは、お気軽にご相談ください。現地確認は無料です。帯広・十勝エリアで対応しています。

よくある質問

Q. LEDにすると、電気代は確実に下がりますか?

 一般に、同じ明るさなら、LEDのほうが消費電力は少なくなる製品が多く、電気代を抑えやすいと考えられます。ただし、削減の大きさは、照明の種類、台数、点灯時間、電気料金のプランなどで変わります。「確実に下がる」と言い切ることはできないため、現状の照明や使い方を確認したうえで、目安をご説明します。

Q. デマンドとは何ですか?照明のLED化で下がりますか?

 デマンドとは、30分ごとの平均使用電力のことで、その最大値が、基本料金などの決まり方に関わる場合があります。照明の消費電力が減れば、使う電力の山が小さくなる可能性があります。ただし、契約の種類によって影響は異なるため、電力会社の契約内容をご確認ください。

Q. 冬に暖房の負担が増えることはありますか?

 LEDは、蛍光灯や水銀灯より発する熱が少ない傾向があります。冬の北海道では、照明の熱が暖房の一部を助けていた場合に、暖房の負担がわずかに増えることも考えられます。夏は反対に、冷房の負担が減る場合もあります。全体で見て判断することが大切です。

Q. 稼働中の工場でも工事はできますか?

 できます。エリアごとに分けて少しずつ進めたり、休日や夜間を使ったりして、生産や出荷への影響を抑える方法をご提案します。高所の作業も、安全を最優先にして計画します。

Q. 費用を回収するのに、どれくらいかかりますか?

 灯数、点灯時間、器具の種類、工事の内容などで大きく変わるため、一概には言えません。現地確認のうえ、削減の見込みと、費用のかかり方をご説明します。金額については、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

 この記事のポイントをまとめます。

  • 照明のLED化では、使った電気の量(電力量)に応じた料金が下がる可能性がある。
  • デマンド(30分平均の最大使用電力)が下がれば、基本料金などに関わる場合がある。
  • 削減量は、台数・消費電力の差・点灯時間で、おおまかに計算できる。
  • 冬の北海道では、照明の発熱が減ることで、暖房への影響も合わせて考える。
  • 現状の把握から始めて、効果の大きい場所から、段階的に進める。

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