電気工事と聞くと、何を思い浮かべますか?電柱の上で作業する職人?それも確かに一部ですが、電気工事の仕事はそれだけに留まりません。実は、私たちの生活を支える電気設備の設計から施工、メンテナンスまで、多岐に渡る専門性と技術が求められる領域なのです。本記事では、電気工事の多面的な仕事内容を解説します。
人々の生活を支える、ずっとなくならない仕事
みなさんは、「電気工事」と聞くとどのようなイメージを浮かべるでしょうか。多くの方はヘルメットを被り、電柱に登って作業している人を思い浮かべるかもしれません。もちろん、そのような作業もありますが、電気工事の仕事はそれだけではありません。
この電気工事の仕事は、まさに私たちの生活を照らし、動かす役割を担っているのです。電気工事士が施工する電気設備は、あなたが毎日利用しているエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、パソコン…そして電灯など、私たちの生活を支える大切な設備です。
また、私たちの移動を支える交通インフラも、電気工事の一環です。電車はもちろん、飛行機や船、自動車も電気を使って動いています。そのエネルギー供給のためには電気設備が必要となり、それを整備するのも電気工事士の仕事です。
また、電気工事士は、電気を使うための安全な環境をつくる役割も果たしています。電気設備の設置や保守、修理などを行い、電気が安全に使えるようにするのです。このように、電気工事士は私たちの生活と社会を支える大切な仕事をしています。
自然災害国の日本で、頼れる味方
これらの役割からも分かるように、電気工事士は「社会を支える職業」の一つと言えます。電気が使えることが当たり前のように感じられる現代社会において、その「当たり前」を支えているのが電気工事士です。
さらに、電気工事士は常に新たな技術を学び、それを取り入れることも大切な仕事の一部です。再生可能エネルギーの普及、スマートグリッドの発展など、電力供給のあり方は大きく変化しています。この変化に対応し、より効率的で環境に優しい電力供給システムを整備していくのも、電気工事士の大切な役割です。
私たちの生活を照らし、動かし、安全に保ち、そして未来へとつなげていく。それが電気工事士の仕事なのです。
電気工事の種類
一般的に電気工事と聞いて思い浮かべるのは、外線工事で、電柱に登って電線を張る作業や、電柱の設置、移設、そして取り外しなどが含まれます。これらは電力会社が発電所で作った電力を各家庭や企業に届けるための「道」を作る大切な作業です。
一方で、内線工事とは、建物の内部で行われる電気工事のことを指します。これには、照明器具やコンセント、スイッチなどの設置や交換、または新築やリノベーション時の電気設備の設計・施工などが含まれます。
また、ここ最近では、省エネ化やICT化を推進するための工事、または電気自動車(EV)の充電設備の設置など、新しい技術の導入に伴う電気工事も増えています。
これらの外線工事と内線工事は、それぞれに専門的な技術や知識が求められるので、電気工事士もそれぞれの領域に特化してスキルを磨いていきます。
そして、これらの工事がすべて終わった時、初めて電気が「使える」状態になります。つまり、電気工事士は私たちの生活を直接支え、豊かにするための仕事をしているのです。
外線工事
外線工事は、その名の通り「外部」の電線設置やメンテナンスに関わる工事です。具体的には以下のような作業が主に含まれます。
発電所や変電所から電柱までの工事
これは電力供給の「道」を作る作業で、高圧電線を引き、各電柱に固定します。電柱と電柱の間に張られた電線は、私たちが普段見る「電線」そのものです。
電柱の張り替えや補修
時間の経過や自然災害、事故などで損傷した電柱を修理するか、必要に応じて新しい電柱に取り替える作業を行います。
電柱に取付けてある変圧器などの新設、吊り替え
電柱に設置されている変圧器は、送電線から来る高圧電力を低圧電力に変換し、各家庭やビルに供給する役割を果たしています。これらの設置や更新、メンテナンスも外線工事の重要な作業です。
電柱の新設や取り替え
新規に電線を引く場合や、既存の電柱が老朽化してきた場合、新たに電柱を設置します。これには、適切な場所への設置と安全な固定が求められます。
これらの作業を通じて、電気工事士は安全かつ効率的に電力を供給するインフラを整備し、維持していきます。この仕事は専門的な知識と技術を必要とし、また作業自体にも危険が伴うため、資格を持つ電気工事士が行います。
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内線工事
内線工事は、建物内部の電気設備の設置やメンテナンスに関わる工事です。具体的には以下のような作業が主に含まれます。
建物まで届いた電気を使用できるようにする工事
建物内部で電気を利用するためには、電気の供給路が必要です。それが室内配線で、これを整備し、電気が各部屋や設備に適切に分配されるようにするのがこの工事の主な役割です。
コンセントやスイッチの設置
電化製品を利用するためには、コンセントが必要です。また、照明や一部の設備を操作するためには、スイッチが必要です。これらを適切な位置に設置し、利用者が便利に使えるようにするのもこの工事の重要な作業です。
照明や電化製品の提案や、施工など
適切な照明設備や電化製品を選び、それを設置するのも内線工事の一部です。使用目的や環境に合わせて最適な設備を選び、それを設置し、必要に応じて調整することが求められます。
これらの作業を通じて、電気工事士は建物内部の電気利用環境を整備し、維持していきます。この仕事もまた、専門的な知識と技術を必要とし、電気工事士の資格を持つ人が行います。
電気工事業の資格について(電気工事士編)
電気工事の職種
電気工事は大きなプロジェクトで、現場施工だけでなく、事前の設計や見積もり、工事後の検査やメンテナンスなど、多くのプロセスと専門性を要する仕事が関わっています。以下に、主な役割をいくつか示します
営業
電気工事を行うためには、まず工事案件を受注するところから始まります。この受注をするために活動するのが営業という仕事です。民間工事や公共工事の受注活動が営業の仕事です。
設計
工事の受注が決まったら、設計を始めます。建物の設計図書(図面・仕様書)から、電気設備の設置場所や配線ルートを決めていきます。さらに、施行されたものを確認して発注者に報告する「監理業務」も行います。
積算
設計図書をもとに電気工事にかかる費用を算出する仕事です。この費用をもとに、発注者は施工を依頼するかどうかを判断します。そのため工事の受注につながる重要な仕事として、経験や感覚が問われます。
電気工事業の資格について(建設業経理士編)
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