電線ってこんなに違う!種類・用途・見分け方を電気工事会社がわかりやすく解説

電気工事

電線の種類と用途を完全図解|電気工事の現場で本当に使われている電線とは?

電気工事に欠かせない「電線」ですが、種類や用途を正しく理解できているでしょうか。

一見どれも同じように見える電線でも、使用する場所や目的を誤ると、
発熱・劣化・漏電・施工不良といった重大なトラブルにつながる可能性があります。

この記事では、電気工事会社の視点から、

・電線の基本的な考え方
・現場で実際によく使われる電線の種類
・用途別の正しい選び方

を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

電線とは?まず押さえておきたい基本知識

電線とは、電気を流す「導体」を、
感電や漏電を防ぐための「絶縁体」で覆ったものです。

電気工事では、この「導体の太さ」や「絶縁性能」が安全性に直結します。
特に近年は、電気使用量の増加により、適切な電線選定の重要性が高まっています。

現場ではよく混同されがちですが、電線は大きく次のように分類されます。

  • ・絶縁電線(単線・より線)
  • ・ケーブル(複数の電線をまとめたもの)
  • ・コード(機器接続用の柔らかい電線)

この違いを理解することが、正しい電線選びの第一歩です。

電柱まわりの電線については、以下の記事でも詳しく解説しています。


電線の主な種類と特徴

① 絶縁電線(単線・より線)

絶縁電線は、1本の導体を絶縁体で覆った最も基本的な電線です。
住宅・施設・設備配線など、幅広い現場で使用されます。

  • ・単線:芯が1本で曲げにくいが、固定配線に向いている
  • ・より線:細い線を束ねており、柔軟性が高く作業しやすい

分電盤内配線や器具結線など、施工条件に応じて使い分けられています。

② ケーブル

ケーブルは、複数の電線をまとめて外装で保護した構造になっています。

住宅配線や幹線、屋外配線など、
耐久性・耐候性・施工性が求められる場所で多く使用されます。

③ コード

コードは、電気製品や機器の接続に使われる柔軟性の高い電線です。

延長コードや照明器具、仮設電源などに使用されますが、
固定配線には使用できないため注意が必要です。


用途別|電気工事でよく使われる電線の選び方

住宅の屋内配線の場合

住宅の屋内配線では、安全性と施工性のバランスが重要です。

  • ・壁内・天井内の固定配線
  • ・分電盤から各回路への配線

将来の負荷増加も考慮し、適切な太さ・種類の電線を選定する必要があります。

屋外・引込・設備配線の場合

屋外配線では、雨・紫外線・温度変化への耐久性が求められます。

屋内と同じ感覚で電線を選んでしまうと、
早期劣化や事故の原因になるため注意が必要です。

工場・設備機器の配線の場合

工場や設備配線では、負荷電流・使用環境・将来の増設まで考慮した
電線選定が重要です。

幹線に関する考え方は、以下の記事でも詳しく解説しています。


電線選びでよくある失敗例

  • ・許容電流を考えずに選んでしまう
  • ・屋外なのに屋内用電線を使ってしまう
  • ・柔軟性が必要な場所で単線を使ってしまう

これらはすべて、施工不良やトラブルにつながる典型的な例です。


安全な電気工事のために

電線は、電気工事の中でも最も基本で、最も重要な材料です。

電線の選定や施工にあたっては、
法令や技術基準を正しく理解することが重要です。

参考として、以下の公式情報もあわせて確認することをおすすめします。

高圧設備に関する内容は、こちらの記事も参考になります。


まとめ

  • ・電線には明確な種類と用途がある
  • ・使用環境に合った電線選びが重要
  • ・正しい知識が事故防止につながる

当社ブログでは、電気工事に関する基礎知識から実務に役立つ情報まで、
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